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アンケート設計の練習:“職場の不公平”に向き合った過程

アンケートづくりを学ぶために、今回は “職場の不公平感” をテーマに小さな調査を行ってみました。
専門家としてまとめるのではなく、あくまで自分の練習として、どのように設計し、実施し、何を感じたのかを記録しておくものです。

やり方が正しいのかは分からないまま、手探りで進めた過程そのものが今回の実践内容です。
アンケート設計の練習として、どのように考え、どのように形にしたのかをまとめていきます。

アンケートをはじめた理由

今回アンケートを作ろうと思ったきっかけは、サービスづくりのために「どんな需要が存在しているのか」を調べていたことでした。

その中で、匿名掲示板に投稿されている 職場の愚痴や不満に関するトピックが非常に盛り上がっている ことに気づきました。

多くの人が抱えているのは、単なる不満なのか、ただ吐き出したいのか、共感してほしいのか、それとも解決策を求めているのか。
この違いによって、サービスとして提供できる価値は大きく変わります。

「話したいだけなのか」「理解されたいのか」「何かを変えたいのか」——それを見極めるために、小さくアンケートを取ってみることにしました。

実際にアンケートを作り、公開し、反応を得ることで、学ぶべきポイントがより明確になると感じました。

知識として知っているだけでなく、試してみることで初めて分かることが多いだろうと思い、手探りのまま実践してみることにしました。

アンケート設計前の段階:目的を言語化しようとした過程

アンケートを作り始めようとしたとき、最初につまずいたのは「そもそも何を知りたいのか」という目的の部分でした。

“職場の不公平感”というテーマ自体は見つかったものの、範囲が広く、どこに焦点を当てればいいのか明確ではありませんでした。

最初の段階では、

  • 自分の興味なのか
  • サービスとしての価値を探りたいのか
  • 単に世の中の実態を知りたいのか

その境界が曖昧なまま、とりあえず頭の中にある疑問を書き出すところから始まりました。

書き出してみると、
「不公平だと感じる人は、どんな場面でそう思うのか?」
「その気持ちは怒りなのか、諦めなのか?」
「話せる場所がないから溜まるのか?」
——こうした疑問が次々に浮かんでいきましたが、どれも抽象的で、アンケートとして形にできるレベルではありません。

ただ、この“曖昧さ”こそが、最初に向き合うべき課題だったのだと思います。

目的をきちんと決めないまま設問を作っても、得られる回答が何を意味するのか判断できなくなる。
そこで、「このアンケートで分かると嬉しいこと」を一つずつ洗い出し、言葉にする作業を続けました。

はっきりした結論を持っていたわけではありませんが、
「不公平感の背景にはどんな構造や感情があるのかを知りたい」
という方向性が少しずつ見えてきました。

この段階でようやく、設問づくりに進んでも良さそうだと感じられるようになりました。

目的を言語化しようとする過程そのものが、アンケートづくりの最初の学びだったと思います。

設問づくりの試行錯誤

目的がある程度見えてきたところで、次に悩んだのが「どういう設問なら知りたい内容が拾えるのか」という点でした。
アンケートは、質問そのものが雑だと、集まった回答も意味を読み取りにくくなります。
かといって、自分だけで完璧に設計するのは難しい……というのが正直な気持ちでした。

そこでまず、想定される結果のイメージを先に描く ところから始めました。

「職場の不公平を感じる瞬間とは?」「どうしてそれが起きるのか?」
このあたりを基点に、ざっくりとした仮説をいくつか用意してみたのですが、想像だけではどうしても偏りが出てしまいます。

そこで、ChatGPTに協力してもらうことにしました。

「こういうテーマで、どんな結果があり得るのか」
「どんな設問にすれば背景の構造まで拾えるのか」
——これらを投げかけながら、少しずつ形を整えていきました。

実際には、ChatGPTから返ってきた案をベースに、

選択肢が多すぎないか

感情の部分も拾えるか

“押し付けられる側”と“評価されない側”の違いが見えるか
といった調整を加えながら、最終的な設問をまとめていきました。

もちろん、最初から完璧な設計ができたわけではありません。
ただ、「想定される結果を先に考える → そこから逆算して質問をつくる」
という流れを踏んだことで、自分の中では納得感のあるアンケートに近づけたように思います。

この段階が、一番“試行錯誤らしい試行錯誤”だったかもしれません。

実際に作成した設問はこちらです


## アンケート内容(設問一覧)

### **Q1. あなたが職場で最も強く感じる“不公平”はどれですか?(複数選択可)**

* 仕事の量が自分に偏る
* 責任だけ押し付けられる
* サボっている人が注意されない
* 真面目な人ほど損をする
* 評価が不透明・不平等
* ミスをした時の扱いが人により違う
* 具体的な不公平はないが、モヤモヤする

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### **Q2. 「仕事を押し付けられた」と感じる状況に当てはまるものは?**

* なんとなく “できる人扱い” される
* 引き受けざるを得ない雰囲気がある
* 上司が仕事量を管理していない
* 他の人が断った仕事が回ってくる
* スケジュールに余裕がある人が優先される
* 自分の能力とは関係なく割り振られる

---

### **Q3. 不公平を感じた時、最も強い感情は?**

* 悲しい
* イライラする
* 虚しい
* 怒り
* 「もうやりたくない」
* 仕方ないと諦める

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### **Q4. その気持ちを誰かに話せていますか?**

* 話している
* 特定の人にだけ話している
* 話せない(職場の人には言えない)
* 誰にも話せない
* そもそも聞いてくれる人がいない

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### **Q5. その不公平感について、本当はどのような「救い」や「出口」がほしいですか?**

* 同じ経験者からの共感
* ただ吐き出して楽になりたい
* 解決策やアドバイス
* 職場の構造的改善のヒント
* 愚痴を共有できる場がほしい
* 正当な評価をされたい

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### **Q6. あなた自身の“職場の不公平エピソード”があれば教えてください。(自由記述)**

これを クラウドソーシングサービスの ランサーズ で依頼しました。

アンケート実施後の最初の気づき(結果の詳細ではなく“印象”)

実際にアンケートを公開してみて、まず驚いたのは 回収の早さ でした。

これまで、特定のユーザー層に絞ったアンケートを依頼したときは、2週間で100件に届くかどうかというペースでした。
ところが今回は、夜の22時に公開して、翌朝の9時には100件すべてが埋まっていた のです。

これほど早く集まった理由としては、
・不公平感や職場の悩みを抱えている人が想像以上に多いこと
・テーマが広く、多くの人が回答しやすかったこと
この二つが大きいと感じました。

回答の傾向としては、
「イライラする」
「特定の人にだけ話している」
「正当な評価を求めている」
という回答が比較的多く、職場での感情の置き場が限られている印象を受けました。

また、自由記述欄を読んでみると、回答内容が実に多様で、簡単には分類できないほど背景や事情がバラバラでした。
「不公平感」とひとことで言っても、その裏側には個々の職場環境や経験が深く絡んでいることを感じさせられました。

今回のアンケートは、数値以上に 回答者一人ひとりの物語の断片が見える内容 になっており、そこが強く印象に残りました。

やってみて分かった“設計の甘さ”と学び

アンケートを終えてみて感じたのは、もう少し方向性を絞って設計すべきだったかもしれないということでした。
今回の結果から何か大きな確信が得られたわけではなく、サービスとしての方向を決める材料としては、やや薄かったというのが正直なところです。

「次にどう動くべきか」がはっきりするまでには至らず、むしろ
“このアンケートをもとに、さらに別のアンケートが必要になる”
という感触に近いものでした。

とはいえ、得られた気づきもあります。
匿名掲示板のような「ただ吐き出したい」「共感してほしい」という需要が強いのではないかと想像していましたが、今回の回答ではそこが中心ではないように見えました。

回収場所がクラウドソーシングサイトで、副業や実績づくりを目的としたユーザーが多い環境だったことも影響していると思いますが、回答には「共感よりも“正当な評価を求める気持ち”が強く現れていた」ことが印象的でした。

そのため、サービスとして考える場合は、

「評価」

「指標」

「フィードバックの仕組み」

といった部分の需要が大きい可能性がある、という方向性が見えてきました。

自由記述の中には、件数こそ少なくても非常に核心を突いたエピソードもありました。
ただ、公開すべきではない内容も含まれていたため、ここでは控えることにします。

今回のアンケートは“完璧な設計だった”とは言えませんが、
その不十分さ自体が、次に見直すべき点を示してくれたように思います。

アンケートを通じて得た“本質的な気づき”

今回のアンケートを通じて、いくつかの“本質的な気づき”がありました。
まず感じたのは、目的や知りたいことをもっと明確にしておくべきだったという点です。
ただ同時に、目的を絞り込みすぎてしまうと、結論ありきの設問になりかねず、回答にバイアスがかかってしまうという難しさもあります。
新しい気づきを得たいのに、最初から結論を固定してしまうのでは意味がありません。

また、今回のアンケートを終えて、
「1回で終わるものではない」
という前提で臨むべきだと強く感じました。
テーマが大きいほど、一度の設問や一つの回答群では全体像をつかむことはできません。
むしろ、「次に何を聞くべきか」が見えることこそが収穫なのだと思います。

アンケートを回収する場所についても、改めて注意が必要だと感じました。
今回はクラウドソーシングサイトのユーザー層が中心でしたが、そこで得られた回答が“社会全体の声”を代表するわけではありません。
必要に応じて、別のプラットフォームや別の属性のユーザーにも聞いていくことが重要になります。

設問設計については、選択肢形式は回答しやすく集計もしやすい一方で、
最も深い気づきは自由記述から得られた
という点が印象的でした。
ただし、あれもこれもと情報を詰め込みすぎると「何を重要視すべきか」が分からなくなるため、設問数とテーマは慎重に絞る必要があります。

そして最後に、需要があるからといって、
それがビジネスとして成立するかどうかは別問題
という点です。
アンケートはあくまで“可能性の入り口”でしかなく、ビジネス化を考えるなら、今回とは別の角度の調査も必要になると感じました。

今回の実践で、アンケート設計の難しさと面白さの両方を実感することができました。
完璧ではなかったからこそ、次に試すべきことが見えたのだと思います。

まとめ:次に試したいことと今後の視点

今回のアンケートは、設計・実施・分析のすべてが手探りでしたが、やってみたことで「次に何をすべきか」がはっきりしました。
今後も継続してアンケートを作成し、テーマを変えながら検証を重ねていくつもりです。

私自身は Web プログラマーとして、最終的に Webサービスとして成立するかどうか を重視しています。
そのため、アンケートは「声を集める」こと自体が目的ではなく、
収益を生み出せる領域なのか、どれだけ大きな需要のプールがあるのかを見極めるための道具として扱っていきたいと考えています。

一度きりの調査に頼るのではなく、

  • 何が不足しているのか
  • どこに次の可能性があるのか
  • どこでサービス化の種が見つかるのか

そうした視点を持ちながら、より効果的な方法を試し、必要に応じて軌道修正をしていきたいと思います。

アンケートは、単に答えを集めるのではなく、考え方や方向性を磨いていくための“実験装置”のような存在でした。
これを今後のサービス開発にも活かしていくことが次のステップになります。

投稿者

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

このサイトでは、私自身が関わっていることや、興味を持って試していることをそのまま置いています。

内容を見ていて、
「少し話を聞いてみたい」
「協業できる部分がありそう」
と感じる点があれば、下記のお問い合わせフォームからご連絡ください。状況を確認したうえで、必要な範囲でお返事します。


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